円田秀樹
えんだ ひでき
Enda Hideki

1966年7月19日生れ

佐賀県出身
1983年入段。1998年八段。2002年5月九段。現役106人目の九段。2005年通算400勝達成。
円田陽一七段は実兄。
棋風:
揮毫:
1995年(25期)新鋭戦優勝(29歳)
日本棋院の情報 なにわの棋士の世界棋行 囲碁カフェバー estrela
【2009年6月5日 朝日新聞(深松真司)】
ボサノバを聴きながらワイン片手に碁を打てるカフェバーが大阪・天満にできた。店長はプロ棋士・円田(えんだ)秀樹九段(42)。1000円払えば飲み物が1杯ついて好きなだけ対局できる。「酒を飲みながら碁を打つなんて」の批判は覚悟の上で、ファン拡大への布石だ。大阪市北区浪花町の商店街に5月にオープンした店の名前は「エストレラ」(06-7173-1353)。ポルトガル語の「星」を、碁盤上に九つある点を表す「星」にかけた。「女性や若い世代に集まってもらいたい」と円田九段は願う。街中の碁会所に若い人の姿がほとんどない、と感じたのがきっかけだ。
「レジャー白書2008」によると、囲碁人口は10年前の1999年に400万人を割り込んだ。漫画「ヒカルの碁」(1998-2003年)のブームもあって一時は回復したものの、漫画の終了とともに再び減少。その後も落ち込みが続いている。プロを目指す10代は増えつつあるが、「若い人たちの趣味としてはなじみが薄い」と円田九段は言う。
タイトル戦でレベルの高い戦いを見せるのはプロ棋士の大事な務めだが、多くの人に碁の楽しさを広める責務もある。考えついたのがカフェバーだ。照明を落とし、音楽の流れる店内に、今までの碁会所のイメージはない。「酒と囲碁」と言えば、先ごろ亡くなった名誉棋聖の藤沢秀行さん。酒浸りの日々もあったというが、豪放磊落(らいらく)な生き方はファンに愛された。「酒を飲みながらの碁には賛否が分かれるでしょうが、基本はゲーム。気軽に楽しんでもらえればいい」。碁の普及を狙い、円田九段の投じた「一石」はいかに。