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囲碁 仲邑菫三段が韓国移籍後 初会見 “女性棋士 上位めざす”
【2024年3月4日(火) NHKニュース
日本で囲碁の女流タイトル獲得の最年少記録を持ち、3月に韓国に移籍した仲邑菫三段がソウルで記者会見を行い、「一日一日を大切にしてこれまで以上に努力する」として、韓国の女性棋士の中で上位に入ることを目標に掲げました。

韓国は “レベル高く研究が進んだ国 学んでいきたい”
囲碁の仲邑菫三段はより高いレベルを目指すために、3月に韓国棋院に「客員棋士」として移籍し、4日、ソウル市内で記者会見を行いました。この中で仲邑三段は、韓国の囲碁界について、「全体的にレベルが高く、研究が進んでいる国だ。囲碁の細かいところを大事にする雰囲気があり、そういうところを強い先生たちから学んでいきたい」と話しました。そして目標について、まずは1勝したいとした上で、「最終的には女性棋士のランキングで2位を目標にしている。強くなるにはあと5年くらいかかると思っている。一日一日を大切にしてこれまで以上に努力して目標を達成できるよう頑張りたい」と話しました。記者会見に同席した韓国プロ棋士協会のハン・ジョンジン会長は、仲邑三段の移籍について、「仲邑さんを通じて両国がともに成長する機会になると思う。『2位が目標』と話していたが、謙遜だ。1位になるために頑張ると思う」と期待を寄せていました。また仲邑三段は、囲碁以外の生活について、「映画を見に行ったりカラオケに行ったりしたいです」と答えたほか、移籍についての感想を韓国語で話してほしいと言われると、「これから一生懸命頑張ります」と話していました。

韓国では囲碁愛好家がファンクラブ結成
ソウルの韓国棋院近くには、仲邑三段がたびたび訪れているという喫茶店があります。囲碁歴48年になるというこの喫茶店の店主は、仲邑三段と撮影した写真をスマートフォンに大切に保存していました。韓国では、仲邑三段の活躍を期待する声が聞かれ、囲碁の愛好家がファンクラブも立ち上げています。仲邑三段の誕生日で、韓国棋院に移籍した日でもあった2日には、ファンクラブの会長の男性がこの喫茶店を訪れました。そして喫茶店の店主とともに、仲邑三段の写真を店内に飾り、店の前にも「誕生日おめでとうございます。韓国移籍を歓迎します」と書かれた横断幕を掲げました。また、仲邑三段をイメージしたキャラクターが描かれたコースターなどを、店を訪れた客に手渡して、仲邑三段の韓国移籍を紹介していました。さらに喫茶店では、仲邑三段の名前と同じ「スミレ」の花と愛称である「すみれもん」にちなんで色や材料を工夫したオリジナルのドリンクをつくりました。

ファンクラブ会長のキム・ドヒョンさん(32)
「韓国に移籍してまで強くなろうとする姿が格好いい。世界的に有名な選手になってほしい」

喫茶店店主のキム・ジミョンさん(58)
「韓国で強い棋士と対局して成長することは、韓国と日本の囲碁界にとっていいことだ。菫ファイト!」

仲邑菫三段の歩み
仲邑菫三段(15)は、プロ棋士で父親の仲邑信也九段の指導のもと、3歳から囲碁を始めました。7歳から強豪国・韓国をたびたび訪れ、現地の囲碁道場で同年代の棋士と対局したり、現地のプロ棋士から指導を受けたりして実力を磨き、一時は家族で現地に引っ越して韓国棋院でのプロ入りも視野に活動していました。その後、日本に帰国し、2019年に、日本棋院が中国や韓国に対抗できるトップ棋士を育成するため新たに設けた推薦枠に選ばれたことから、当時としては史上最年少となる10歳0か月でプロ棋士になりました。プロ入り後も公式戦で順調に勝ち星を重ね、2021年3月には12歳0か月で「二段」に昇段して、二段昇段の最年少記録を53年ぶりに更新したほか、2022年には「女流名人戦」のリーグ戦を勝ち上がり、史上最年少の13歳1か月で女流タイトルの挑戦者になりました。そして、2023年2月には、女流タイトル戦のひとつ、「女流棋聖戦」を制して史上最年少でのタイトル獲得を果たすなど、数々の最年少記録を塗り替えてきました。2月のタイトル初防衛はなりませんでしたが、プロ入りのときから掲げていた、中学生のうちにタイトルを獲得するという目標を達成していて、今後の活躍が注目されています。

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