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10歳のプロ棋士
【2019年1月10日(木) 京都新聞「コラム凡語」】
 雛鶴(ひなつる)あいさんは小学3年生。将棋を始めてまだ3カ月なのにめきめき腕を上げ、憧れの竜王に弟子入りする。江戸時代の超難解詰め将棋「将棋図巧」も全問解いてしまう。「りゅうおうのおしごと!」は近年人気のライトノベル。かわいらしい表紙のイラストに気をとられそうになるが、結構内容は熱い。将棋ペンクラブ大賞の優秀賞も受賞した。それが、そっくり現実になったかのような先日のニュースに驚いた。将棋と囲碁の違いはあるものの、同じ9歳。史上最年少でプロ棋士の初段になる仲(なか)邑(むら)菫(すみれ)さんである。かわいらしい風貌に気をとられそうになるが、周囲からは「恐ろしい打ち手」との声が上がる。3歳で碁を覚え、両親と韓国に渡って修業した。根っからの負けず嫌いだそうだ。盤に向かう姿は堂々としている。将棋人口と比べると、少ないとされる国内の囲碁人口。国際大会は中国や韓国が席巻している。「碁は日本でだけみごとに発達した」―。川端康成が小説「名人」に書いた時代は遠くなった。世界での活躍を期待される仲邑さんがすごいのはもちろんだが、子どもであっても深いところへ行けるゲームとしての囲碁のすごさも改めて感じる。子どもだからこそ、かもしれない。春から始まる10歳のプロ棋士の「おしごと!」が楽しみだ。
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