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囲碁の「飛び級」って?
【2017年8月16日 毎日新聞東京朝刊「質問なるほドリ」(=回答・最上聡)】

なるほドリ:囲碁棋士の芝野虎丸(しばのとらまる)七段(17)が三段から七段に一気に昇段したと聞いたけれど、こんな「飛び級」ってあるんだ。

記者:芝野七段は7月末、プロ入りから史上最速の2年11カ月で竜星戦(りゅうせいせん)に優勝しました。全棋士が参加できる竜星戦と阿含・桐山(あごんきりやま)杯で優勝したら七段になれる、という決まり(昇段規定)があります。芝野七段の場合、優勝当時、三段だったので七段になりました。
Q 将棋は四段以上がプロ棋士だったと思うけれど、囲碁の場合は何段からなの?
A 囲碁は初段からスタートします。最高位が九段で、「降級」がないのは将棋と一緒ですね。対局で勝ち星を重ねたり、獲得賞金額で上位に入ったりすれば、一つずつ昇段します。七段以上は勝ち星のほか、7大タイトル戦の挑戦・奪取などで昇段できます。例えば本因坊戦(ほんいんぼうせん)の場合、挑戦者を決めるリーグに入れば七段に、挑戦者になったら八段に、奪取して本因坊になったら九段に昇段します。
Q 過去にどんな「飛び級」の例があるの?
A 本因坊文裕(ほんいんぼうもんゆう)(28)=井山裕太(いやまゆうた)九段=が2005年、阿含・桐山杯で優勝して四段から七段になりました。これまでの最大の「飛び級」は三段から七段で、芝野七段のほか、本因坊戦でリーグ入りした余正麒(よせいき)七段(22)と本木克弥(もときかつや)八段(22)が達成しています。
Q 規定は昔から変わっていないの?
A かつては「大手合(おおてあい)」という昇段を審査する対局があり、定められた点数を挙げれば昇段できる仕組みでした。プロ棋士の組織は二つあり、今の規定になったのは日本棋院が03年、関西棋院が05年からです。それぞれほぼ同じ規定ですが勝ち星にカウントする対象の棋戦(大会)の種類などに違いがあります。(東京学芸部)
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