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囲碁AI、ノートパソコンでもプロ棋士に勝利
【2017年7月15日 毎日新聞地方版/兵庫(石川勝義)】

世界から囲碁ファンが集まる「碁コングレス」が7月14日、宝塚市の宝塚ホテルで始まり、日本を含め16の国・地域から約400人が参加した。初日は囲碁の国産人工知能(AI)「DeepZenGo」(Zen)と河英一(ハヨンイル)六段が公開対局。Zenが5目半で勝ち、改めて強さを印象付けた。この日の公開対局で、Zenは高性能ノートパソコンで動かされた。ノートパソコンを使った囲碁AIがプロ棋士と対戦するのは世界で初めて。マイケル・レドモンド九段は「とても人間らしい手を打つ一方、なかなかありそうでない手もある」と解説。「人間は石を取られるのに感情的な抵抗があるが、それがない」とAIの手の特徴を説明した。

河六段は「昔はAIにハンデを持たせてもいい勝負ができていたが、『ディープラーニング(深層学習)』を取り入れて強さが増した。今回は自分にミスがないのに敗れてしまった」と振り返った。Zen開発チームの加藤英樹代表は「AIは死活や攻め合い、逆転の一手がまだ苦手で改善の余地がある。『神の一手』に近付きたい」と語った。ただ、サーバー用コンピューターの演算処理で動いていた囲碁AIがノートパソコンで登場したことで、市販化に道筋がつきつつあることを印象づけた。

碁コングレスは欧米で続く囲碁大会。日本では宝塚市で昨年初開催され、2回目。7月17日まで4日間の日程でメインイベントの囲碁大会「ジャパンオープン」や中国で始まった「都市対抗リレー碁」などが開かれ、対局を通じて世界の囲碁ファンが交流を深める。
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