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囲碁日中韓団体戦 一力遼、16年ぶり日本優勝かけ韓国・申と決戦へ
【2022年2月25日(金) 朝日新聞デジタル(大出公二)】
 囲碁三大国、日中韓対抗の勝ち抜き団体戦「第23回農心辛ラーメン杯(農心杯)」最終ラウンド(R)は26日の最終日、日本の一力遼九段(24)が世界最強の韓国・申真婿(シンジンソ)九段(21)と、日本の16年ぶりの優勝をかけて対戦する。最終Rセミファイナルの25日、申は最大のライバルである中国の柯潔(かけつ)九段(24)に勝ち、ファイナルにコマを進めた。囲碁AI(人工知能)の形勢判定では序盤から終始リードして押し切る完勝だった。農心杯は日中韓3チームがそれぞれ5人の代表選手を擁し、先鋒(せんぽう)から順次対局に投入。出場選手は負けるまで対局を打ち続け、2カ国の選手全員が敗退した時点で残る国の優勝となる。今大会、中国は柯が負けて全選手が敗退し、最下位が決まった。勝ち残った日韓もすでに各4選手が敗れており、残る選手は一力、申のみ。26日の両者の対戦で勝ったほうが優勝する。申は3年連続で個人戦の世界メジャー棋戦を制覇し、韓国以外の対外試合は昨年6月以来27戦負けなしの戦績を誇る。AIの推奨手との一致率が際だって高く「申工知能(しんこうちのう)」の異名を持つ、世界最強棋士だ。対する一力は近年、世界メジャー4強など日本選手のなかで最も上位に食い込み、中国では「遼神」の異名で知られる。申との対戦成績は昨年の2局のみでいずれも敗退。難敵だが「このような舞台はめったに経験する機会がない。自分の力を精いっぱい出し切れるようにがんばりたい」と話す。かつての世界最強国、日本は今世紀に入って中韓の後塵(こうじん)を拝し、2006年第7回大会の初優勝後は15大会連続で最下位に甘んじている。その間、中韓が優勝を分け合ったが、今大会は昨年11月の第2Rで井山裕太名人(32)が4連勝してチームを首位に押し上げ、16年ぶりの優勝のチャンスが訪れている。


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