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最年少「天元」誕生 挑戦者・関航太郎、逆転許さずタイトル奪取 一力遼の粘りに適切対処
【2021年12月7日(火) 神戸新聞NEXT
 6日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれた第47期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第4局は、一力遼前天元(24)が中盤に失着を放ち、挑戦者の関航太郎新天元(20)が的確にとがめて大一番を制した。関は序盤、左下の折衝や黒23(16十七)〜黒29(14十五)などで下辺に大模様を築くことを目指したのに対し、一力は上辺、右辺などに模様を広げ、後に下辺を攻め込む姿勢を示した。昼食休憩直後、一力が白80(11十七)にツケて下辺の模様を荒らしに入り、攻防が始まった。しかし、一力が攻め合いの中で放った白106(15十五)が敗着に。その後、一力は粘りの手を放ち続けたが関が適切に対処し、逆転を許さなかった。持ち時間各3時間のうち、残り時間は関3分、一力1分。終局後、関新天元は「結果を残すことができ、自分でも驚いている」とシリーズを振り返り、一力前天元は「またゼロからやり直すしかない」と声を落とした。立会人の山田規三生九段(49)は「敗着の白106がすべて。しかし、そこへ至るまでの過程で、関さんがリスクを負いながら一力さんの大石を積極的に取り込もうとしていた姿勢が印象的だった」と話した。(井原尚基)

【関航太郎新天元の話】

白62まで右上が一段落したところでは悪くないと思っていた。黒69は、どこに打つか難しいところ。黒79を打てば、ある程度下辺が地になると思っていたが、白80ツケで難しくなった。黒151となり、その後正しく打てれば、いけるのではと感じた。開幕前はここまで戦えると思っていなかった。自分の実力以上の結果を出すことができた。

【一力遼前天元の話】

白62まで右上が一段落したところでは、少しつらいかなと感じていた。白74が利いているので、白80ツケから荒らしにいっても、取られない格好だと思っていた。白104、106のハネ切りが、信じられないポカ。なぜ打ってしまったのか。こんなミスをしているようではだめだ。最近のタイトル戦では判断ミスが続いていて、この結果はしょうがない。


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