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許家元十段が全日本早碁オープン初V、井山四冠破る
【2021年10月2日(土) 産経新聞
1囲碁の「第28期阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦」の決勝が2日、京都市で行われ、許家元(きょ・かげん)十段(23)が214手までで、井山裕太四冠(32)=棋聖・名人・本因坊・碁聖=に白番中押し勝ちし初優勝した。タイトル獲得は通算4期。許十段は「優勝できるとは思っていなかった。これからの自信になる」と語った。両者は第22期(平成27年)に対戦し、そのときは井山四冠が勝利していた。今年になって棋聖9連覇、本因坊10連覇を果たし碁聖も奪取した井山四冠(名人の防衛戦は進行中)。4月に「大和ハウス杯 十段戦」を制した許十段。毎年秋に決勝が実施される全日本早碁オープン戦までに決着する4〜5つの七大タイトル戦で勝利した同士が対決するのは、今期で5度目。年少棋士が勝つのは、張栩(ちょう・う)碁聖が趙治勲十段(いずれも当時)を破った第14期(19年)など3例目となった。瀬戸大樹八段や本木克弥八段らを破ってきた今期のトーナメント戦を「難しい碁が多かった」と振り返った許十段。7月15日から10連勝(テレビ棋戦を含む)と好調だ。許十段は平成30年の碁聖戦で井山四冠をストレートで破り、当時独占していた7冠の一角を崩している。「最近の井山さんの対局はミスがなく、(自分が)勉強になる手が多かった」と仰ぎ見る第一人者を破り、井山キラー≠ヤりを見せつけた。井山四冠は9月28、29日に神奈川県箱根町であった名人戦七番勝負の第4局で一力遼天元に勝利すると、翌30日は日本棋院で中国・甲級リーグのインターネット対局(非公式戦)で丁浩八段(中国)を破っていたが、この日の敗戦で、5日間で3勝の離れ業はならなかった。「チャンスがきたかなという場面もあったが、生かしきれなかった」と振り返った。


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