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将棋・囲碁の連勝記録は?
【2017年5月11日 毎日新聞東京朝刊「質問なるほドリ」(回答=東京学芸部・最上聡)】

なるほドリ:昨秋、史上最年少で将棋の棋士(きし)となった藤井聡太(ふじいそうた)四段(14)がプロ入り後、連勝を続け、いまだ負け知らずらしいね。
記者:昨年12月の初戦で、加藤(かとう)一二三(ひふみ)九段(77)を破ってから公式戦負けなしの16連勝中です。将棋のデビュー時の連勝記録は、松本佳介(まつもとよしゆき)六段(45)と近藤正和(こんどうまさかず)六段(45)の10連勝だったので、すでに更新しました。デビュー時以外も含めると、神谷広志(かみやひろし)八段(56)の28連勝という記録があります。

Q 16連勝はすごい記録なの?
A 20連勝以上したことがある棋士は神谷八段のほか、24連勝の丸山忠久(まるやまただひさ)九段(46)▽22連勝の塚田泰明(つかだやすあき)九段(52)、羽生善治(はぶよしはる)王位(おうい)(46)、山崎隆之(やまさきたかゆき)八段(36)▽20連勝の有吉道夫(ありよしみちお)九段(81)−−だけ。18連勝すれば、歴代7位タイとなります。現在3冠の羽生王位でも通算勝率は7割強ですから、どんなに強い棋士も10戦すれば2、3回は負ける計算です。しかも、勝てば勝つほど、決勝のリーグ戦やトーナメントで強豪と対局する機会が増えることになる仕組みですから、勝ち続けるのは大変なことです。

Q 囲碁(いご)の連勝記録はどうかな?
A デビュー時の連勝記録は、広江博之(ひろえひろゆき)九段(50)の12連勝です。ついで依田紀基(よだのりもと)九段(51)、溝上知親(みぞかみともちか)九段(39)、伊田篤史(いだあつし)八段(23)が11連勝、張栩(ちょうう)九段(37)が10連勝しています。デビュー時以外も含めると、故二十三世本因坊栄寿(ほんいんぼうえいじゅ)=坂田栄男(さかたえいお)九段=の29連勝が最高で、次いで本因坊文裕(ほんいんぼうもんゆう)(27)=井山裕太(いやまゆうた)九段=と林海峯(りんかいほう)名誉天元(めいよてんげん)(75)の24連勝です。20連勝以上の棋士は将棋の6人に対し、囲碁は7人です。近い数字になるのが面白いですよね。この辺りが頭脳ゲームでの人間の限界なのかもしれません。

Q 連勝すると、いいことがあるのかな?
A 囲碁も将棋も、対局数が増えるので対局料が増え、棋戦で上位に進めば賞金ももらえます。


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